INNOVERA PBXでかける事ができない特定番号があります
INNOVERA PBXを導入されているお客様から、「フリーダイヤルにかけようとしたら、つながらなかったんです」と言われる事があります。
契約前の説明で、緊急番号(110や119)フリーダイヤル、ナビダイヤルなど、一部かける事ができない番号があると説明しているのですが、運用が始まるとやっぱり必要だったとなるケースもあります。
INNOVERA PBXはYealinkのSIP-T43UやSIP-T74Uといった置き型IP電話機に対応していて、日常の電話業務には十分な機能を持っています。ただ、ご契約の回線内容によっては、0120・0800から始まるフリーダイヤルや、0570のナビダイヤルなど、一部の番号に発信できないケースがあります。これは、INNOVERA PBXだけではなく、他社のクラウドPBXでも同様です。
今回、あるお客様先でこの問題に対応した際、電話機を1台も増やさずに解決する方法で対応しましたので、その内容をご紹介します。
やったこと:SIPアカウントを2つ登録しただけ
結論から言うと、Yealinkの電話機に
- INNOVERA PBXのSIPアカウント
- NTTひかり電話のSIPアカウント
の2つを登録し、発信先によって回線を切り替えられるようにしました。これだけです。
普段の外線発信や内線通話は、これまでどおりINNOVERA PBXを使います。
そのうえで、INNOVERA PBX側からつながらないフリーダイヤルやナビダイヤルにかけるときだけ、追加登録したひかり電話の回線を選んで発信する、という流れです。回線キーを切り替えるだけなので、利用者側の操作もそれほど難しくありません。
実はFAX用に残っていた回線が使えた
FAXについては、INNOVERA PBXの利用が推奨されていない事から、複合機やFAX機をひかり電話につないだまま運用する、もしくはクラウドFAXに移行するケースがほとんどです。FAX運用を崩したくない場合、つまり紙印刷をしたモノを複合機のADFにセットして相手先番号をダイヤルし、スタートボタンを押す。この場合はINNOVERA PBXへの移行しません。クラウドFAXに移行する場合もありますが、その場合はパソコンから直接FAXを送る運用に変更していただきます。
FAXは使わなくなったとおっしゃる事が増えていますが、どちらかというと運用はそのままにしたい事が多く、INNOVERA PBX導入後もFAX専用としてひかり電話の契約だけが残っているケースは珍しくありません。
今回の構成のポイントは、まさにこの「残っていたひかり電話」を、FAX専用のままにせず、Yealink電話機にも登録して発信用回線として活用した点です。新規の回線契約も、電話機の追加購入も必要ありませんでした。
構成イメージ
Yealink電話機の中身としては、こんな役割分担になります。
アカウント1(INNOVERA PBX)外線の発着信、内線通話、保留・転送など、普段の電話業務全般をここでまかないます。
アカウント2(NTTひかり電話)緊急番号である110や119、フリーダイヤルの0120・0800、ナビダイヤルの0570番号への発信や、その他INNOVERA PBX側から発信できない番号への発信を担当。障害時の予備回線としても使えます。
FAX・複合機 従来どおりひかり電話に接続したままで、番号もそのまま維持されます。
ひかり電話側はあくまで「補助」という位置づけ
ここで一つ注意点があります。ひかり電話をYealink電話機に登録したからといって、INNOVERA PBXと同じPBX機能が使えるわけではありません。
実際、機器や接続構成によっては、ひかり電話側で保留した際に保留音が鳴らず無音になったり、転送の挙動がINNOVERA PBX側と異なったりすることがあります。ですので、この構成ではひかり電話を通常業務の主回線として使うのではなく、
- フリーダイヤル・ナビダイヤルへの発信
- INNOVERA PBX側で発信できない番号への発信
- 障害時の予備回線
といった、限定的な用途にとどめています。普段の電話対応はINNOVERA PBXに任せ、必要なときだけひかり電話に振り分ける、というのが運用上のコツです。
導入前に確認しておきたいこと
この構成は、すべての環境でそのまま使えるわけではありません。事前に次のような点を確認しておく必要があります。
- ホームゲートウェイの機種
- ひかり電話のご契約内容(オフィスタイプ、オフィスAなど)
- 電話機とホームゲートウェイ間のネットワーク構成
- FAX・複合機を含む既存の電話設備構成
弊社で確認しているホームゲートウェイ仕様ですと、最大5台までのIP電話機しかレジストできません。それ以上必要な場合は、この方法だと対応できません。また、Yealinkの電話機であってもDECTタイプの場合は、アカウント切替ができないためこの方法が使えません。仮にDECTタイプでひかり電話を使いたい場合は、ひかり電話用に端末機を1台用意していただく事になります。
こんなお悩み、ありませんか
- INNOVERA PBXから発信できない番号がある
- FAX用に残っているひかり電話を、もう少し活用したい
- 電話機を増やさずに複数回線を使い分けたい
- 今の電話番号・FAX番号はできるだけ変えたくない
Emission株式会社では、INNOVERA PBXの販売だけでなく、既存の電話回線やネットワーク環境を実際に確認したうえで、その環境に合った構成をご提案しています。クラウドPBXは契約して終わりではなく、既存の回線設備とどう組み合わせるかによって使い勝手が大きく変わってきます。
標準的な案内だけでは対応しきれない電話環境についても、現地の状況を踏まえたうえでご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
本記事の構成は、導入先の機器・契約回線・ネットワーク環境および各サービスの仕様によって利用できない場合があります。導入の際は事前の現地確認、または構成確認をおすすめします。











